
コートは約6.10m×13.41mですが、設置には周囲のプレー面も必要です。公式寸法と新設時の推奨サイズ、ネット・ラインの測り方、既存施設で確認する項目を整理します。
- 競技ラインの大きさと、周囲を含む必要スペースを比較
- 幅・長さ・面積と、中央配置した場合の余白を確認
- 施設管理者や施工担当者へ相談する前の準備に使える
ピックルボールのコートは幅約6.10m、長さ約13.41mです。ただし、これは競技ラインで囲まれた範囲。施設や空きスペースへの設置を考えるときは、外へ走ってボールを追うための周囲のプレー面も含めて確認します。
この記事では、2026年版USA Pickleball公式ルールなどをもとに、コート寸法と必要な広さを分けて整理します。施設担当者が図面や現地で確認する項目もまとめました。
コートの寸法は何m?
標準コートは幅20フィート×長さ44フィート、約6.10m×13.41mです。通常のシングルスとダブルスは同じ大きさを使います。
ピックルボール日本連盟は、コートの外形をダブルス用バドミントンコートと同じ大きさと説明しています。ただし、競技ごとのライン構成やネットの高さまで同じという意味ではありません。ピックルボール日本連盟「ピックルボールの設計基準と仕様」
ネットの両側には奥行き7フィート、約2.13mのキッチン(ノンボレーゾーン)があります。センターラインはキッチンの後ろからベースラインまで伸び、左右のサービスコートを分けます。USA Pickleballのコート設計案内でも、この区分を示しています。
設置に必要な広さはどれくらい?
USA Pickleballの2026年ルールでは、周囲を含むプレー面の最小寸法は30×60フィート。新設と大会用には34×64フィートが推奨されています。
何を測る寸法か | 幅×長さ | m換算 | 面積の概算 |
|---|---|---|---|
競技ラインで囲まれるコート | 20×44ft | 約6.10×13.41m | 約82m² |
周囲を含む最小プレー面 | 30×60ft | 約9.14×18.29m | 約167m² |
新設・大会用の推奨プレー面 | 34×64ft | 約10.36×19.51m | 約202m² |
出典:2026年版USA Pickleball公式ルール3.A.1〜3.A.3。mは1ft=0.3048mで換算し、小数第2位まで表示。面積は丸める前の値から計算した概算です。公式本文の64ftのm併記は19.5mですが、本表は換算方法を統一しています。
「約82m²あるから1面作れる」と、面積だけで判断することはできません。幅と長さの両方、周囲の使える範囲、障害物の位置が必要です。上の数値は競技団体の規定・推奨であり、日本の建築上の適合や、個別施設の安全性を保証するものではありません。
中央に置いた場合、周囲には何m残る?
長方形のプレー面の中央へコートを配置すると、30×60ftでは左右各5ft(約1.52m)、ベースライン後方各8ft(約2.44m)が残ります。34×64ftでは左右各7ft(約2.13m)、後方各10ft(約3.05m)です。これは各寸法の差を2で割った計算で、独立した施工基準ではありません。
図面上の余白に柱やベンチ、ネットの脚部がある場合、そのまま動ける空間とは扱えません。複数面では、コート間の仕切りや通行経路も含めて配置を検討します。
ラインとネットで見落としやすい寸法は?
コートとキッチンの寸法はラインの外縁で測ります。ネットはサイドライン位置と中央で高さが異なります。
- ライン幅:公式ルールの推奨は2インチ(5.08cm)。床面とはっきり区別できる同色の線を使うよう示しています。
- ネットの高さ:サイドラインの外縁位置で36インチ(91.44cm)、中央で34インチ(86.36cm)。2026年版の許容差は、どちらも±0.25インチ(±0.635cm)です。
- キッチンの奥行き:ネットから境界ラインの外縁まで7ft。線の中心を基準にすると、規定の測り方とずれます。
測り方とラインは公式ルール3.A.2・3.A.4、ネット高さは3.B.6・3.B.7に基づきます。購入したネットの名称だけで判断せず、設置後の高さも測って確認しましょう。
既存コートや体育館を使う前に何を確認する?
ラインが収まることに加えて、床面、周囲と上方の空間、音、照明、既存利用との両立を確認します。
以下はPICKLY編集部の確認項目です。候補地ごとの可否は、施設管理者や設計・施工の担当者と現地で判断してください。
- 床面:ひび、段差、滑りやすさ、球の弾み方を確認。仮設ラインを貼る場合は、使用できるテープと撤去方法を管理者に確認します。
- 壁・柱・天井:平面図だけでなく、梁、照明器具、ネット支柱の位置まで確認。ボールを追う動きやロブを想定して検討します。
- 音と照明:打球音が周囲へ届く場所、室内の反響、まぶしさや明るさのむらを確認します。USA Pickleballも照明の案内で均一性とグレアへの配慮を挙げています。
- 運営と動線:待機者の場所、入退場、用具収納、避難経路を図面へ追加。テニスなど元の用途の予約と、準備・撤去の時間も整理します。
屋外では日差しの向きも検討事項です。USA Pickleballの設計案内は南北方向の配置を勧めていますが、敷地形状や周辺環境も合わせて検討しましょう。
設計相談には何を持っていく?
候補地の寸法入り図面・写真と、どんな利用を想定するかをまとめると、面数や改修範囲を相談しやすくなります。
編集部の提案として、次の5点を一枚に整理しておきましょう。
- 壁や柱を除いた実際に使える幅・長さと、屋内なら梁や設備までの高さ
- 希望面数、専用・兼用の別、常設・仮設の別
- 一般利用、レッスン、大会などの用途と、車いす利用を含む想定利用者
- 利用時間帯、近隣施設との距離、照明・音対策の必要性
- 床面補修、ネット、仕切り、収納、撤去・原状回復の見積もり範囲
現地条件が未確認の段階では、必要な工事や費用の総額は決められません。複数の見積もりを比べる場合も、面数だけでなく周囲のプレー面と工事範囲をそろえます。
よくある質問
コートの外形が同じでも、施設として使う条件は場所や用途で変わります。
屋内と屋外でコート寸法は変わりますか?
標準の競技コート寸法は同じです。屋内は天井や壁、屋外は日差しや周辺環境など、別途確認する条件が異なります。
バドミントンコートの線をそのまま使えますか?
外形は同じですが、キッチンやサービスコートの区分が異なります。専用のラインと規定のネット高さを確認し、兼用時はどの線を使うか明確にする必要があります。
テニスコート1面に何面入りますか?
競技ライン内だけで面数は決まりません。既存のフェンス・支柱、周囲のプレー面、コート間の動線を含めて配置図を作り、使える面数を確認してください。
ラインと周囲の空間を分けて計画しよう
設置を検討する最初の一歩は、約6.10×13.41mのコートと、周囲を含むプレー面を別々に図面へ描くことです。
専用コートを運営している施設は、PICKLYの施設掲載案内で掲載条件を確認できます。現在の案内では専用コートが対象で、体育館の一時的な転用などは対象外です。開設・掲載前には、実際の面数や利用条件を整理しておきましょう。