
体験会の次に、参加者が戻れる場を用意するには。OCBCの講習と大会をつなぐ発表を手掛かりに、企業の継続企画で決めたい担当・案内・費用・再参加の測り方を整理します。
- 初回と次回を一組にした企画の組み立て方
- 開催と開催の間に必要な担当・見積もり項目
- 延べ人数と継続参加を分ける検証方法
企業企画は「次に参加できる日」まで考える
ピックルボールを継続的な交流企画にするなら、初回の体験と、その後に戻れる場を一緒に設計します。一度のイベントで盛り上がったことと、参加者が次も来られることは別です。体験会を終えた人に、誰が、いつ、何を案内するのかまで決めておくと、企画の検証範囲がはっきりします。
シンガポールのOCBCグループは、初心者向け講習から大会へつなぐ取り組みを発表しています。この記事では、その公表内容を手掛かりに、企業の社内交流や顧客向け体験を複数回の企画として考える方法を整理します。国内で同じ成果が出るとするものではなく、後半はPICKLY編集部による企画提案です。
OCBCが発表した、体験から大会へのつながり
特徴は、大会の告知だけでなく、その前に初心者が学べる機会を組み込んだことです。
OCBCの2026年4月6日発表では、10月23〜25日の「OCBC-Great Eastern Pickleball Open」に先立ち、4・5・8・9月に初心者向け講習を計24回設ける計画が示されました。講習は説明・練習・交流ゲームの3部構成で、参加者には大会の先行申込枠も用意するとしています。大会は一般向けの区分に加え、企業向けの区分も設定する内容です。
発表上の講習の総受入枠は860人超で、大会参加者は約1,600人を見込んでいました。これらは実参加人数ではありません。また、毎月開催する計画とも異なります。出典:OCBC公式発表(2026年4月6日)。
2026年10月26日の確認時点で、大会公式の試合結果ページには終了扱いの個別スコアが掲載されています。一方、本記事では講習の実参加人数、講習から大会への移行人数、企業の事業成果までは確認できていません。発表時の募集設計と、実施後に測る成果を分けて読む必要があります。
国内では「続けたい理由」を一つに絞る
編集部の提案は、初めから年間大会を再現するのではなく、初回と次回を一組にして試すことです。全国規模の催しや大きな受入枠がなくても、「一度経験した人が、次にどの場を選べるか」は設計できます。
例えば部署を越えた交流が目的なら、次回は順位を決める大会ではなく、前回と違う人と組める交流回が候補になります。上達を望む参加者が多いなら、基本動作を復習できる練習回も選択肢です。顧客向け企画なら、商品説明への接触回数ではなく、参加者にとって再訪する理由があるかを先に確かめます。
以下は国内で小さく試すための設計例であり、OCBCの運営手順や推奨開催頻度ではありません。
参加の段階 | 企画側が用意すること | 次回へ進む前の確認 |
|---|---|---|
初めて体験する | 説明担当、用具、短いプレー機会、質問できる窓口 | 次は練習・交流のどちらに参加したいか |
もう一度参加する | 内容・対象者・日時が分かる次回案内と申込先 | 前回と同じ説明が必要か、参加条件に無理がないか |
自分で参加先を選ぶ | 継続枠、施設の通常利用、希望者向けの競技機会などの選択肢 | 企業主催回を続けるのか、施設利用へ引き継ぐのか |
参加者全員を大会出場へ誘導する必要はありません。交流だけを楽しみたい人、単発で体験したい人にも選択肢を残します。社内企画では参加を任意にすることも明示し、再参加しない理由を本人の意欲だけに求めないようにします。
継続の担当者と、費用の区切りを先に決める
編集部の提案として、複数回企画では「次回までの仕事」を予算と担当の両方に入れます。会場費や講師費だけでなく、次回案内、申込管理、問い合わせ対応、参加者の引き継ぎにも作業が生じます。
- 日程:次回日時と会場が確定しているのか、希望調査の段階なのかを分けて案内する。
- 参加条件:初回参加が必須か、新しい人も入れるか、経験の確認方法を決める。
- 担当:企業、施設、指導者のうち、募集・当日対応・次回連絡を誰が担うかを書き出す。
- 見積もり:各回の会場・指導・用具・運営費と、期間を通じた事務局作業を分け、人数変更や中止時の扱いを確認する。
参加者情報を次回運営へ引き継ぐ場合は、連絡の目的と主体を案内し、必要な情報に絞ります。イベント参加を、関係のない営業連絡への同意と扱わない運用にします。企業から施設の通常利用へつなぐ場合も、次回予約や料金の確認先を明示してください。
また、初回の体験会で利用できた会場・人員を、同じ条件で何度も確保できるとは限りません。継続回の確保前に年間開催を約束せず、まず次回の対応範囲を見積もることが現実的です。
申込数ではなく、同じ参加者の動きを追う
編集部が提案する最初の指標は、初回の実参加者が、案内された次の機会に参加できたかです。複数回の延べ人数だけでは、新しい人が増えたのか、同じ人が続けているのかを区別できません。
見る記録 | 集計の考え方 | 判断に使う場面 |
|---|---|---|
初回実参加者数 | 申込後の欠席と区別し、同一人物を重複させない | 継続を観察する対象を定める |
次回の案内対象と案内実施 | 連絡を希望した人、実際に案内した人、申込者を分ける | 届いていないのか、内容が合わないのかを検討する |
観察期間内の再参加 | 初回参加者のうち再参加した人数を、同じ期間条件で見る | 日時・内容・参加条件を見直す |
運営の負担 | 各回と回の間の対応時間、総費用、問い合わせ内容を記録する | 担当者が無理なく続けられるかを判断する |
再参加率を計算するなら、対象者と観察期間を企画前に定めます。例えば「初回実参加者のうち、初回から30日以内にもう一度参加した人」の割合を見る方法があります。ただし30日は編集部の例で、適切な期間は開催頻度によって変わります。次回開催がまだ来ていない人や、観察期間が終わっていない人を「継続しなかった」と数えないことが大切です。
同時に、日程が合わない、会場へ行きにくい、参加条件が分からないといった理由も確認します。再参加率が変わっても、企画内容だけの効果とは限りません。開催日時、料金、会場、対象人数を記録しておくと、次に変える項目を選びやすくなります。
最初の相談には、初回と次回の目的を添える
企業の継続企画は、開催回数を増やすことより、参加者が次の一歩を選べる案内をつくることから始められます。初回の目的、想定人数、開催エリア、次回につなげたい体験を整理してみてください。
企業イベントの企画・運営を検討している方は、PICKLYの企業・自治体向け案内をご覧ください。まず体験会を開きたい場合も、複数回の交流企画を考えている場合も、希望する内容と条件を添えてご相談いただけます。