
ピックルボールの社内交流会を、次回につながる企画にするために。アンケートの質問例、参加率と回答率の分け方、社内報告に残したい項目を整理します。
- 目的に合う質問を、開催前に絞り込める
- 割合の分母と未回答を区別して報告できる
- 好評だった点と次回の改善案を一緒に残せる
「楽しかった」と「目的を達成した」を分けて振り返る
社内イベントの成果は、満足度だけでなく、開催前に決めた目的と参加の記録を合わせて確認します。
ピックルボールの交流会が盛り上がっても、「次回も開催する理由をどう説明するか」で担当者が迷うことがあります。写真や好意的な感想だけでは、部署を越えた交流が生まれたのか、初めての人も参加できたのかは分かりません。
本記事では、部署間の交流を主目的とする社内イベントを例に、アンケートと運営記録を使った振り返り方を提案します。質問文、集計方法、報告書の構成は編集部の作成例であり、PICKLYが実施した調査や効果を実証した尺度ではありません。
スポーツ庁は令和7年度に、職場における運動・スポーツの取組が従業員や組織にもたらす影響を調査し、報告書等を公開しています。ただし、職場のスポーツ活動に関する研究結果を、そのまま一度のピックルボール交流会の効果として扱うことはできません。
出典:スポーツ庁「職場における運動・スポーツの取組がもたらす影響に関する調査研究」(令和7年度調査、2026年10月22日確認)。
開催前に、次回を判断する問いを一つ決める
「何を改善したいイベントか」を先に決めると、必要な質問を絞れます。
交流、運動のきっかけ、社内コミュニティづくりを一度に評価しようとすると、質問が増え、結果の読み方も曖昧になります。主目的を一つ選び、補助的に見たい点を分けておきましょう。
主目的の例 | 終了直後に確かめること | 後から確かめること |
|---|---|---|
部署を越えた交流 | 普段話す機会の少ない、別部署の人と会話できたか | その後も話す機会があったか |
初めての人が参加しやすい場づくり | 説明の分かりやすさ、参加方法を選べたか | 次回の申込みと実参加につながったか |
社内活動の継続 | 再参加意向と参加しにくい条件 | 告知対象者のうち何人が再参加したか |
例えば「別部署の人と話す機会をつくる」が目的なら、対戦成績ではなく会話の機会を確認します。評価の目標値を置く場合は社内で事前に決め、結果を見てから都合のよい基準に変えないことも大切です。上表は測定項目の案であり、達成すべき業界基準ではありません。
交流会後に使える、短いアンケートの作成例
全体評価、目的に対応する質問、運営の改善点、自由記述を分けて聞きます。
調査サービスを提供するQualtricsの公式ガイドも、イベント後の質問で数値評価と自由記述を組み合わせ、次回参加の意向や改善点を把握する考え方を紹介しています。以下はそれを踏まえ、ピックルボールの社内交流会向けに編集部が組み立てた例です。
出典:Qualtrics「Post event survey questions: What to ask and why」(2023年5月11日公開、2026年10月22日確認)。
- 今回のイベント全体に、どの程度満足しましたか。回答:とても不満/やや不満/どちらでもない/やや満足/とても満足。
- 普段話す機会の少ない、別部署の人と会話する機会はありましたか。回答:なかった/少しあった/十分あった/判断できない/該当しない(別部署の参加者がいなかった)。
- ルールや進め方の説明は、分かりやすかったですか。回答:とても分かりにくかった/やや分かりにくかった/どちらでもない/やや分かりやすかった/とても分かりやすかった/説明を聞いていない。
- プレー、休憩、見学など、自分に合う参加方法を選べましたか。回答:選べなかった/一部選べた/選べた/判断できない。
- 次回、同様のイベントがあれば参加したいですか。回答:参加したくない/どちらかといえば参加したくない/まだ分からない/どちらかといえば参加したい/参加したい。
- 次回に向けて変えてほしいことはありますか。回答:時間帯/場所・アクセス/説明/プレーの組合せ/待ち時間/参加方法/その他/特になし。複数選択可。
- よかった点や、伝えておきたいことがあれば教えてください。回答:任意の自由記述。
「交流が深まり、健康になりましたか」のように二つの内容を一問にまとめないようにします。また、参加していない内容を無理に評価させないため、「判断できない」などの選択肢を用意します。経験の有無を比較したい場合だけ、初参加かどうかを追加してください。
回答を集める前に、誰が見るかを伝える
回答の目的と共有範囲を明示し、率直に答えられる運用にします。
編集部の提案として、終了時に回答方法を案内し、当日から翌営業日を目安に短い振り返りを依頼します。これは必須の回収期限ではありません。業務中の回答が難しい職場では、回答可能な期間を確保してください。
アンケートの冒頭には、次回の企画改善に使うこと、回答は任意であること、誰が閲覧するか、集計結果をどこまで共有するかを書きます。人事評価に使わない運用なら、その点も社内で確認したうえで明示しましょう。
無記名で集める場合でも、フォームがメールアドレスを自動取得していないか確認が必要です。部署名と役職の組合せや自由記述から回答者が推測できることもあるため、少人数の属性別結果をそのまま社内共有しない運用を検討します。健康状態など、今回の目的に不要な詳しい情報は集めず、安全上の相談は別の窓口で扱います。
参加者数・回答者数・設問ごとの人数をそろえる
割合だけを見せず、「誰を分母にした数字か」を一緒に示します。
説明用に、案内対象者が100人、申込者が40人、当日参加者が32人、アンケート回答者が24人だったとします。参加率は案内対象者に対して32%、回答率は当日参加者に対して75%です。申込者を分母にした80%は来場率で、参加率とは別の数字です。
満足度の設問に24人全員が答え、そのうち18人が「やや満足」または「とても満足」を選んだなら、満足回答は18人/24人、75%です。「参加者の75%が満足」とは書かず、「回答者24人中18人」と記します。未回答者8人の評価は分かりません。設問を飛ばせる場合は、その設問に答えた人数を分母にします。
残す記録 | 集計時の注意 |
|---|---|
案内対象・申込・当日参加の人数 | スタッフやテスト申込み、重複登録の扱いをそろえる |
全体の回答数と設問別の有効回答数 | 未回答、判断できない、対象外を区別し、除外条件も示す |
満足度や説明の分かりやすさの分布 | 平均値だけでなく、低評価とその理由も確認する |
会場費・用具・運営費と担当者の作業時間 | 費用と社内工数を分け、次回も実施できる負担かを見る |
これらは仮の数値による計算例です。未参加者の事情を知りたいときは、参加者アンケートとは別に、日程・場所・内容など参加しにくかった条件を任意で聞きます。回答がない理由を「関心がない」と決めつけないでください。
報告書には、成果と次に変えることを並べる
次回開催の判断に必要なのは、好評だった点だけでなく、改善案と残る不明点です。
編集部の提案として、社内報告は「目的/参加と回答の人数/目的に対応する結果/運営上の課題/次回の変更点/費用と工数」の順でまとめます。自由記述は都合のよい感想だけを選ばず、肯定的な意見と改善を求める意見の両方を整理します。個人が特定される記述はそのまま転載しないようにしましょう。
例えば、説明の評価は高い一方で待ち時間への意見が多ければ、次回は定員や進行を見直す候補になります。再参加意向が高くても、実際に申し込むかは別です。継続企画を行うなら、次回の告知対象・申込・実参加を同じ定義で記録してください。
開催後に社内の会話が増えたという回答があっても、イベントだけが原因だとは限りません。異動や別の研修など、ほかの変化も考えられます。一度のアンケートから生産性の向上、離職率の改善、健康への効果まで断定せず、確認できた範囲を報告します。
企画の段階から、振り返りまで見通しておく
アンケートは、イベントを成功したように見せるためではなく、次回をより参加しやすくするための道具です。交流という目的、当日の参加記録、答えやすい質問、改善を判断する担当者を開催前にそろえておきましょう。
PICKLYでは、企業・自治体向けにピックルボールイベントの企画・運営や、会場・講師・用具の手配を案内しています。相談する際は、開催目的、想定人数、時期、希望エリアに加えて、開催後に何を確かめたいかも伝えると、企画の前提を整理できます。アンケートの作成や集計、報告書まで依頼したい場合は、対応範囲を個別に確認してください。